小説家になろう作品感想:2件 (NL) 『目覚めると、今は亡き兄が治める王国に姫として囚われました』『なんちゃってシンデレラ』

2019年6月20日木曜日

小説家になろう感想

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なろう作品感想: (NL) 一見ダーク系転移恋愛 & ジュニア小説系お姫様転生


ネタバレあり

もくじ


  1. ★目覚めると、今は亡き兄が治める王国に姫として囚われました
  2. ★なんちゃってシンデレラ 

ムーンで18禁読んでると、なろう(読もう)でも探したくなって最
近交互に読んでます。なろうは日常とかくっつくまでを書く話が向いてるね。全年齢だけに。


感想



総評 <やや不満>


目覚めると、今は亡き兄が治める王国に姫として囚われました
→(改題)囚われの妹姫は歪んだ愛から逃げ出したい
作者:染井由乃 全58話

あらすじ引用:時計塔がシンボルの小さな街に暮らす16歳の少女、時雨瑛奈(しぐれ えな)は、友人と花火大会に行った折に、暴発事故に巻き込まれてしまう。目覚めた先は、魔法に満ちた異世界。そこで彼女は、王として君臨する亡き兄と再会を果たすが、元の世界に帰る手段を奪われてしまう。

【白昼夢のような世界観】
文章的に淡々としているので、主人公女子高生の割にそう感じさせずおしとやかな異世界淑女にマッチしているなあと思った。元の世界では浮いていた有能美形兄が事故で転生してて、現実世界で死ぬと向こうの世界に完全定着するって設定が、死後の優しい世界みたいな切なさもあった。実際異世界で王になって、絶世の美人嫁いて、国一番の魔術師でって…兄の死ぬ前に見た夢っぽいもんね。(なろーしゅ…)

両親の事に一切触れず、妹を囲ったのもサイコっぽかった。おまけに友人で美形の公爵息子が最初から好感度マックスっぽい。これは訳がある世界…と思うよねやっぱ。
 そういう白昼夢の世界なので、息子を亡くした後娘も亡くした事になりそうな現実世界の両親の事だけが読んでる方は気にかかってしまう。そりゃあ主人公と同じく、元に戻れるかなって思いますよ。

【(ネタバレ)全員病んでいた】
 兄貴とヒーローは最初からおかしいと思ってた。でもだんだんヒロインもおかしいなって。いくらここは私の世界じゃない。私のせいでここの人間関係になんの影響も与えたくないって思っていても、さすがに限度がある。悲劇のヒロインプレイでもしてるのかなって、ふわっふわな思考。ただおとなしい人畜無害なだけにはとどまらないヤバみをかもしだす。
ヒーローの義妹に苛められるのはともかく、最終的には殺されそうになっても、『そんな愛を貫くなんて一途で高潔な人!私なんて!』となる。
ねーよ。10回ぐらい唱えちゃうよ。小学生かな?

義妹は今までライバル達をさんざん苛めたおして、ヒロインは完全に殺しにかかって、あげく恋もやぶれるが、好きでもない男と結婚して国に貢献するより修道院に一生いると言い張る。そうだね、愛の貫きだね。プロテインだね。ただの我がまま悪女やんけ。

周りからは何をしても聖女ムーブと受け取られるけど、さもありなん。これもはや白痴聖女プレイでしょ。病んでるでしょ。
とんだ病んだ兄妹の話だったですよ。

【ヒロインがやばいから世界もやばい】
最初からそう読んでればよかったんだけど、一見落ち着いてるし、現実世界に戻ろうとしている女子高生だと思うと、展開がふわふわして危うくなる部分がどんどん気になってくる。

主人公の行動は無駄慈悲縛りと同時に知性がかけていく。誘導されたにしろ、一番危険とされる森のはずれに簡単に行くし(もうちょっと何か策をたてないのか)、侍女の姉を匂わせる手紙を置いて逃げ出そうとするし。(侍女に危険すぎる。普通、アンタッチャブルな事書かんだろ…)
そもそも国一番の権力者で有能な兄とヒーローが、義妹のライバル苛めに気がつかないとか。周知の事実という事は、当然ヒーローも知ってる事だよね?ヒロインがターゲットになるの当然じゃないか。特にブレスレット取りあげに関しては、一緒に出て行く所を見ているのに殺人未遂の現場に居合わせるまで義妹が犯人だと気がつかなかったとか…。
あだ名はフシアナさんかな??

 兄が苛めをわざと泳がせているのか思ったら、本当に二人とも気がついていなかったとか。まじかよ。しかも兄に関しては、妹に懸想しているとかもっとダークな裏事情があるのか思ったら、単に妹を側に置きたかっただけとか…さわやかなサイコ落ち。兄がこの(話)世界の根幹にいるんじゃないのか?シスコンでいいの?

 なんというか一見しっかりしてそうな世界観なんだけど、実は女の子の夢で見た異世界妄想でしたって感じの緩さが所々ある。
この世界はやばい。
 ダークってタグにあるし、全てが狂ってますよだったらよかったんだけどな。

あ、ヒーローのラストの所行に関してはヤンデレでよかったです。でもその理由について予想ついてしまいました。

【タグを信じるな】
 で、ラストはあれですね。両親に関してはよかったなあ!とそこはほっとしました。あとダークっぽかったのにハッピーエンドになったとこもハッピー至上主義者には嬉しいかもね。
でもまあタグを信じるなですよ。……悲恋を信じちゃったんですよねえ。ヒーローこっちの人なんかい!結ばれちゃうんかい!みたいな。植物人間状態で10年寝てたのに、3ヶ月で知ってるリヒトさんになるんかい!みたいな。リヒトのヒロインに対する執着わからなかったなあ。異世界ではそういうやばい世界だから、で納得できたけど、どうやら現実でも面識がありそうなんですよね、書いて無いけど。
 兄貴はなろーしゅとして生きていくのか…
兄貴とはなんだったのか…
 結局、この異世界トリップで素敵な恋人できました☆みたいなノリになっちゃったんだけど、いいのか…

色んな疑問が湧いて、異世界にふわふわ消えて行く世界でしたね。。。


ーーーー

総評 <面白い>

作者:雛/汐邑雛 全102話

あらすじ引用:【王宮陰謀編】 夕食のおでんに辛子を添えるために買物に出た和泉麻耶(33歳)職業:パティシエが、光の中で意識を失い、次に目覚めたとき、彼女は異世界の12歳のお姫様になっていた。 美貌で知られた母に生き写しだと言うお姫様はたった12歳にして、この国の王太子の妃であり、生命を狙われていた。 なぜ狙われるのか、誰が犯人なのか、彼女は、15歳年上の夫を餌付けしながら真相を探る。

【ジュニア小説の雰囲気に浸る】
名前は知っていたけど、読んだ事がなかった本作。タイトルから感じるいにしえの感じと、何故か主人公がババ臭いんじゃないか(すまん)と思ってしまっていました。読んでみたら、すごーく面白かった!いい意味で、昔のジュニア小説の香りを堪能。初出がかなり前らしいし、明らかに2015年ではない。

 33歳のコツコツ働いてきたパティシエが中身に入ってるので、非常に落ち着いている。転生ではあるが、ルティアの脳に融合した感じ。話が進むにつれ、本来のルティアも環境が違えば麻耶と似ていたかもしれないなと思って、ちょっと切なくなる。同じ人が好きだしね。
 まず転生して、しばらく無言で過ごして様子を窺う思慮深さ。昨今の転生令嬢パターンだと、更正しますた☆とばかりに別人ぶりを押し出して行くので新鮮だった。(笑)命の危険があって、少しずつ自分を出して行く。それも本音を出すのはある程度事情を話した侍女のみで、周囲へは影響が大きすぎるのでほんの少し緩和というさじ加減。中身が33歳な事に納得してしまった。そりゃそうだよね。

 最後までタイトルのシンデレラ要素あったかなあと思ったんだけど、まあ周囲が敵だらけだった事からかなあ?でも生まれた時から唯一の存在だし、階段を駆け上がっていった訳ではないよね。それともパティシエからお姫様に転生した事ですかね?異世界転生令嬢ほとんどあてはまっちゃうな。
迷宮がとても大きな存在なので、やっぱりシンデレラ迷宮の方があってるよね。ってそれじゃあ、氷室冴子の作品になってしまうけれど。(笑)あーなついなつい。
シンデレラ迷宮 (集英社コバルト文庫)


 この話読みにくくはないんだけど、転生してからベッドの中で世界観を語ってくれて、それが主に名前の長さからなんだよね。ほーほーとは思うけど、覚えられない。その後も割とたくさん人名・役職出てくるけど、当然ロング&カタカナなのでこれまた覚えられる気がしない。妃の名前も時々混乱して読み返す。作者はきっちり世界観を考えてるのに、アホーな私は流しましたとも。でも覚えてなくても読めるから、大丈夫。

【存在がチートなので抑えめ】
 実はヒロインあまり無双しない。(なろう比)得意の料理も、自分のアイデンティティだから固執していると分かって披露してるし、最初の野宿、昼餐会、夫との食事、おやつ。ぐらいである。ヒロインが突出した料理人ではなくて、最初から実家に舌の合う美味しい料理人がいる事もわかっている。
 話が進むうちに、存在そのものが唯一みたいなキャラだと判明していくので、あまりに色々有能だとうるさくなってしまうのがわかっているのだろう、どこか慎ましさがある。基本籠の鳥だけど、一部は特にそれを理解して暮らしている。実際四六時中、命を狙われているので、夫を餌付けするぐらいのスタンスが丁度いいのだ。

【ヒーロー像が少しリアル少しロリコン】
 チート幼女が無双していく本好きの下克上のヒーローと比較すると、ヒーローに女関係の示唆がある。27歳だし当たり前であるのだが、ヒーローが30歳でこれが一切ない本好きと比べると、若干のリアルさがある。(笑)本好きのヒーローも婚約してたけれど、女嫌いの過去をきっちり作っていたし、ヒロイン以外とは色気を感じさせない作りだった。少女向けに潔癖に作るなら、ヒーローを仕事人間にした上、完全に女嫌いとかにすればいい訳で、そこであえて肉体は健康な男性ですという主張に少しリアリティを感じた。(なんとなく笑)

 そうじゃなきゃ、12歳嫁と仲良くなった27歳夫がはい、ロリコンと言われてしまうからという配慮も感じる。
 でも中身が大人だと感じたらすぐ気に入ってるから、まあ少しロリコンにはなりますよね!仕方ない!事実は仕方ない!5年後でやっと普通だから、仕方ない!
 100話以上あって、キス一回しかしてないから!
きっとたいしたロリコンじゃない!大丈夫!

 まあ気になる人は気になるだろうけど、私的にはそんな気になりませんでしたね。むしろキス1回なんて恋愛ものと見た場合少ないよね。でもラブラブではある。


【王都迷宮編で終わり?最大の謎が残る】
 なろうでは、第二部の王都迷宮編で完結している。書籍で続いていくのかもしれないが、最大の謎が残ったままだ。親父の謎である。彼が、ルティアの母親を安易に騙して娶って、そして安易に捨て置き、放置し死なせた理由が全くわかっていない。物語の最初の装置だから、という事はこの作者の場合ないと思う。だって誰だって理由考えるもの。
 しかも四公爵で、この国のなりたちに一番重要な人間だと知っていたって……
 普通に考えると、鍵の姫を抹殺しようとしていたとなるけど……うーん。まじでただの愚か者とかではないでしょうね。普通にいみわからん。
 ヒロインにとって悪役でありそうな継母だけど、一度も出てこないし、公爵がこんなに愛しているんだから善良パターンなんだろうか。三番目の兄はあんなにいい人で不遇なんだし、あるかなあ。

 この話、王様より公爵の方が何倍もやばい気がする。。。
この男、一人で領地の窮地を作って、一人で国をおびやかしてやがる……ッ!?

 お母様って、結構恋多き女性でしたよね。王様と駆け落ち(これはほだされたぽい?)、ナディルともそこそこいい感じ(これは好ましい程度かな)、公爵の外面のみで惚れた、と。本当になんで一瞬だけ騙したんだ公爵。子供だけ必要だったにしても、このやり方は本人に恨みがあるやり方なんだよなあ……



【甘さの補給に関して】
 迷宮編は、結構ばたばたしてたし、警備さすがに役に立ってなさすぎ問題とかもありました。一部がミステリーで、二部はドタバタだったのかな。一部はキスすらなし。二部でキス一回。当初は微糖だなあと思ったんですが、そういう時は番外編です。番外編は他人から見ると、こんなにラブラブなんだなーってすごい糖度高かったです。ヒロインを見て、みんなほんわーってなってる感じがわかる。
 二人の死後の記事みたいなのもあるし、そういうちょっとした切なさもありつつ。そういうの結構すき。


 最後にヒロインにヒーローはいつ惚れたのか?って考えてたんだけれど、最初のお茶会で「怒ってないっていったのに」の時にもう落ちてたに一票。(笑)ろりこ…
  

 


騒乱編って続きっぽいね  






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