小説家になろう作品感想：1件 『精霊幻想記（Web版）』

『精霊幻想記（Web版）』の感想　執事系美形主人公で男向けなろーしゅ　

そういやFO４のレイダーはだいぶまともな人が多かった。今回の台詞は「うんぬ」が好き。うんぬしたい！（？）今ブログタイトルつけるならうんぬなのかな。うんぬて。
初心に帰ってなろうの感想です。当然、女目線感想なり。

★精霊幻想記（Web版）

総評　<面白いが…>

★精霊幻想記（Web版）

作者：北山結莉　全２０６話〜　連載停滞中（多分無理）

※追記　2020月10月末になろうでは全削除されたようです。ずっと放置だったので意外だったけど、アニメ化が発表されて権利のアレっぽい事が判明。Web版がもう読めないのは残念だけど、まあいいか…って正直記憶が薄れてたのでそんな気持ち。

【あらすじ引用】

主人公のリオは異世界のスラム街で最底辺の孤児として暮らしていた。だが、日本で暮らしていたとある青年の記憶と人格が、七歳のリオの身に宿る。その後、王女誘拐事件に巻き込まれ、恩人兼重要参考人として、お姫様も通う超名門校に一人放り込まれたリオの運命は……。

【男向けなろーしゅだが妙にジュニア小説っぽい】

　所謂男向けのなろうものでちゃんと通して読んだのは、１作目が『無職転生』、数年経ってからこの『精霊幻想記』のみです。（蜘蛛ですが、とか転スラあたりは男性主人公ではないし、途中までなので）

　結構読んでから時間が経っているのでうろ覚えの所もあるが、かなり大筋は覚えているのでやっぱり印象的だったんだと思う。作者は男性だけど、途中までは女性が男性向けを書いてると言われても納得しそうになる程、主人公が禁欲的。あと主人公に惚れる女の子たち（ほぼ全て）はそうでもないけれど、地球繋がりの男女たちは妙にジュニア小説っぽい懐かしいキャラ像で、そこが何か他作品と区別的だった。
例えば、主人公の前世の妹なんか、なろうを読んでる諸兄には忌み嫌われるタイプで、（思春期の妹が兄を毛嫌いするのに近い嫌い方をしている）その子が悪役という訳ではなくアンチとして存在しているのが、ジュニア小説っぽいなあと思った訳です。

＊ジュニア小説とは昔のライトノベルの事。その後では児童書のヤングアダルトに該当する感じ？現在どういう区分なのか知らない。

　あとこのタイトルもなろうさを薄らげてると思うのね。「スラムに孤児転生した俺が異世界で最強になった訳だが」とかだったら読んでないな。実際幻想記か？と思うと、そうでもないんだけど、タイトルは作品全体を内包していくから良いイメージついて良いと思う。

【男向けなろーしゅのTueeeeとハーレム完備だが…】

　これって何部かにハッキリ分かれていて、１章は主人公の虐げで終わっているので、割とノンストップで読んでしまった。主人公がずっと冷静で辛さを辛さとしてとらえていないからそんなストレスじゃない。２章はエルフとかに会うんだったっけ。もちろん幼女奴隷もひろうよ。（なんでみんな幼女奴隷ひろうんだろうな…）３章は和テイストの大陸で過去探し。

　あとは、敵がいてそこから大勢で逃亡する章とか、ついに宿敵と対峙するなんてのもあったな。そんで章ごとに、女に惚れられていく。ハーレムだけど、女たちに脱落が許されないから結構物理的に出て来ない人多いよね。ちなみに主人公には１ページ目から心に決めた日本人女性がおり、転生してからは辛い時期引き立ててくれたロリ先生の嫁候補がいるので……、他の子にチャンスは全くないんだけどね……、悲しいなあ。というか出てくる女の子たちが全員美人だから、なんというかもう顔では区別化出来なくて、各自のエピソード差分で勝負するとなると、もう後からって超絶無理な訳ですよ。。。

　だからハーレムだけど、主人公が禁欲執事化しているので女性に都合の良い美形執事がひたすら力を貸しているとともみれて、無駄ハーレムともいえる。もう前の章の現地の女の子なんて、出さなくてもいいのになと思うんだけど、脱落してません！みたいにたまにちらちらするのよね。トロフィーワイフの嫁コレクションより、全然いいですけどね。アニメ化した「盾の勇者」は、女に裏切られたくせに、幼女を買うわ、美少女ハーレムパーティになるわ、アニメでみる限りあのハーレムきつそうでちょっと読む気がしなかった。

　別に好きなキャラじゃないけど、途中で拾う獣人幼女ちゃんも（日本人転生）、なんかどことなくジュニア小説っぽいんだよね。イケメンの見知らぬお兄さんに惚れていたら、一緒にバス転生してしまうとか。こういう、うっかり美形に惚れるとか、少女小説の主人公っぽいというのかな？どうも元日本人キャラに懐かしさを感じてしまうのかもしれない。悪役の貴久しかり。マジで唯一しっかり名前覚えてたの貴久でしたよ。あ、坂田師匠も。

【男向けなろーしゅだが女性向けのヒーロー像】

　と言う訳で主人公は完全になろーしゅだけど、女性向けの執事キャラみたいに、完全に抑制されてて、ちょっと女性がとっつきやすいと思う。まず現実でも美形という設定だからね（笑）。ヒッキーや社畜のフツメンみたいのが多い中、バスの中で惚れられる容姿で、しかも本人は読者がおいてけぼりレベルで、幼馴染みの女の子に激愛というか純愛を捧げている。なんやこいつわからん…感はあるよねこの始まり。
で、その子が登場していくら可愛らしく料理をした所で、出てくる子全員美人だし、そもそも料理も主人公の方も上手いしなーと思って、主人公の気持ちにはそんな寄り添えない。要するにみんな可愛らしく一途で健気な場合、個性が弱い。その子の個性がくっついているお邪魔な幼馴染みの男貴久という感じまである。（ひどい）

　だけどだけど、私はこの主人公に感心した所が一つあって。ちゃんとすっぱり告白をしたところが、非常にいい男で爽やかだった！素晴らしい。
直後の手紙で、予想していた昭和的すれ違いが起こるけど、ちゃんと告白はしているから。これは大事だよ。あと精一杯の告白が、駄目になってしまう所も、この耐える執事タイプの主人公には何か合っていて（ひどい）、先生を正ヒロインを移行する為でもあるし、良かったよね。

　あとドレスを着たままの姫様を洗うシーンは、性欲のない主人公でこそ輝くというかすっごくほのぼのシーンで可愛らしかった。

【ハーレムの屍を見るのが好きな性癖ってあるんだね】

　主人公は慇懃で無欲すぎて鼻につくというのは少しあるんだけど、あ、これは男性作者ハーレムだなって思ったのは女性だけに囲まれての会食シーンだったな。

　主人公に好意のある女性たちに囲まれてレストランで会食している所に、邪魔貴族男が来て女を連れて行こうとするんだけど、それに対する罰がすげえ重くて吹いた。ヒロインのセリア先生にちょっかいならわかるんだけど、完全にハーレムに手を出された男っぽい感じ。ああ、やっぱりハーレムなんだなって。このハーレムは、主役が手を出す事はないし答えることもない無駄ハーレムな訳で。惚れた女たちは恋心を枕に討ち死にするしかない。

　「僕の地球を守って」で、マドンナ木蓮に嫉妬した女が「自分は色恋に関われないから、信奉者の男たちが、屍となって転がるのを見るのが彼女は楽しいのよ。」みたいな台詞をいうシーンがあるんだけど、これって男性にもあるんだなあと思った。性欲を抜いた男性像って、男が書いて楽しいのかなと思ったけど、自分をがちがちの理性で去勢し、周りに倒れていく女性を見ながらほくそ笑む性癖っていうの？完成度高いっすね。

　もっと分かりやすい方だと、女子アナ系とかに多くいる恋愛対象に全くなくてもちやほやしてくれる男性が好きで、全対象に八方美人するタイプ。逆に尊敬するレベル。まあここまでいくと逆に万人にわかりやすいけど、これを拗らせたというか。

　主人公は、美形の上に滅私奉公して力になることで落としている訳ですね…。いいことなんだけどさ。男にはあんましないというわかりやすさ。
あ、ちなみに上記の木蓮は無実です。

【なろーしゅが燃え尽きた後…】

　現在商業の小説は「手紙」のシーンから全く別の展開を迎えているらしく、ざまあとかすぐにいれたり、宿敵倒していないらしい。私は美春との誤解決別とか、あの辺り好きなのでwebの方でいいやと。

　実際、なろうの精霊幻想記は手紙の真実が届いたところでもう更新されない感じになっていて、今から読む方はエタを覚悟する必要があります。でもはっきりいって、主人公にはもう正ヒロインがいて、昔の純愛に蹴りをつけ、宿敵を倒し、ベラボーに強くなって、燃え尽き症候群みたいになってるからもうこれでいいかなって感じ。
うん。なんだろう。もう何もできない無駄ハーレムとか、もはやどうにもならないからなあ。手紙も、真実を知った人が出てきて、こっから貴久は破滅していきそうだし、別にもうええやって。

【あえて今後を女性向けに妄想すると…】

　別にこの執事主人公でも十分女子対応ではあるんですが、やっぱり恋に乱されるのが見所になるだろうから、めちゃくちゃ真っ赤になったり、溺愛するのがみたいかな？まあ意外と想像しやすいな。なんだかんだ言ったけど、リオ好きかもしれない。拗らせてて。

いやはやお幸せに。（何が）

　ジュニア小説っぽい所にフックがあった私としては、最後の方で日本組が元に戻って怒濤の貴久視点、美春視点、獣人女子視点、妹視点、弟視点とか読みたいかなあとも思うが、ないなきっと。

　以上です。

人気シリーズみたいね

　これなんか特典CDで完全に執事やってる？やりにいってるなー