なろう作品感想：２件（NL)『復讐をしませんか』『もう一度、廻り逢えたなら』

なろう感想（NL）同作者の異世界恋愛マウント女子２作

（すごいネタバレあり）

同作者の未完エタ作品と、完結作。主人公が嫌な感じ繫がり。

なんか書いてみたら、もやもやが溜まっていたようです。

　
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総評　<ふつう>

★復讐をしませんか

作者：橘 珠水　全26話～ 未完

【あらすじ引用】伯爵令嬢コーデリアは、とある夜会で婚約者であるアルベルトに婚約破棄を言い渡され、以降屋敷に閉じこもっていた。自分の未来を悲観し、いっそこのまま朽ち果ててしまおうと思っていた彼女の元に、オーレンが訪ねてくる。コーデリアから婚約者を奪ったリリィの崇拝者の一人だったオーレンは、彼女にこう提案してきた。「復讐をしませんか」と。

【ちょい腑に落ちない敵役リリィへの偏愛】

　流れはい　つ　も　の。奪った女は逆ハーのヒロインだし、これ乙女ゲーのキャラだろっていう配置です。乙女ゲーの転生者にすると、（タグの問題もあるかもしれないが）一気にキャラと背景がアニメっぽくなるから、これでもいいかな。

　でもそうするとこんな逆ハー貴族たちいるか？とも思っちゃう。皆王子を含め婚約者いるのに、排除されない逆ハー男爵令嬢なんているかなあ。しかもその婚約者の一人には、魅力的なラスボス公爵令嬢アリアンナさまがいるのにぃ？まあ、ちやほやにとどまって、危険レベルの接近までしてなかったと想像しよう。主人公の舐められ方と人望のなさよ。。。伯爵令嬢って言っても、ほんと政治力のない家なんだなあ。まあヒーロー家＞ヒロイン家なのはわかっているけれど、男爵令嬢がこんな無双できる程階級緩めの世界観じゃないんだけどなー。逆にチートなしラブ無双リリィってすごくない？？？？誰にも排除されないレベルで男達をトリコにするとか……後半のリリィ対峙シーンとか、性格振る舞い全部知っても愛してくれる男を用意してる事といい、作者のリリィ偏愛を感じる。こんなただの敵役っぽい子が、また出てきてストレスを与えてくるとは考えてなかった。（笑）

　そしてリリィとのシーンには、だいたいいつも主人公のアレな性格があぶり出されるときて……やっぱ作者は主人公嫌いなんじゃないか…？（笑）

【主人公の性格が悪いそして暗い（辛辣）】

　元婚約者よりハイスペック男が、ぼろぼろの平凡ヒロインに金と手間をかけて綺麗にする。これだけ書くとご都合で嫌な感じ（笑）でも実際、生きる気力をなくしてた主人公はイキイキして綺麗になり、札束作戦も受け入れて、依存から流れで愛してしまっている。ここまではわかる。弱っているんだから。それに主人公目線で見ているから、応援しているし。ヒーローは、裏があるのか都合のいい王子なのかどちらかだろうなあと思っているので、「野暮ったい服」とか口が悪くても、金持ち特有の高慢だろうなって許せる。そもそも、彼ぐらいしかリリィと元婚約者の悪口を言ってくれないからね。

　ところが夜会で再会のシーンあたりから、主人公に「ん？」って思う事が増えてくる。復讐だから、美しくなって課金によるグレードアップした姿を見せなくてはいけない。マウント女になるのは、仕方ない。でもリリィが昨年もつけていたドレスに、似合ってない髪飾りをつけている事を見て、元婚約者が野暮天な事に安心したり、髪飾りを無意識に褒めたりしている。悪役令嬢だよそれ。（笑）つまりその部分で見下している訳ですよ。これさー、実家が金持ちな悪役令嬢がやるのが普通であって、自分もヒーローの金で底上げしているだけだからね。

ただの性格の悪い奴じゃねーか。

　そんでもって、二人が愛し合っているのを見てすぐに心がぼっきり折れて、鬱モードに。これは自然な感じ。その後むなしくなった心にヒーローへの愛が芽生える。そしてすぐに、ヒーローの本心ーアリアンナさまへの恋心に気づき、絶望する。やっと、元婚約者に一言言ってやる事もできたし、裏も発覚して、ここまではよかったんだけど。

　自分の家と元婚約者の家の確執を知って、人生のままならさに絶望したヒロインは再び鬱モード、ヒーローから離れたい為に母親が持ってきた侍女話にのっかって王宮の侍女になる。

　ん？？？？

　……そ、そういう話だったのか……。本当に主人公、暗いわあ。まあ前みたいに引きこもりにならず、出仕しようなんて前向き……いやいや今度は逃げ癖ついてるよ！！そりゃ、オーレンもおこだよ！まー、場所移動はいいけれどこの子、侍女なんて出来る程気がきくとも思えないんだけれど……。

　案の定、人が多すぎて転んじゃって怖くて立てなくなってるし。どんくさ子だわ。この主人公、地味なのにやってる事悪役令嬢で、悪にもなれずどんくさいってどういうことだよ。

ホント、やってる事喪女なんだよなあ。。

元婚約者と交流できちゃってるし。元婚約者も、婚約破棄以外は出て来るエピソードがまともなのがつらい。だいたい助けてくれるし。クズなのかまともなのか。家とリリィ大先生に騙されたにしても、一度も謝ってないしね。やっぱクズでいいや。（TEKITO）

ドレス選びチート能力、外国語話せる能力を駆使してちょっと活躍する。ダサイ女の子が、スタイリストみたいになってるなんてオーレンの教育すごいね。やっぱ恩知らずだなあこれ。

　と思ったら、王宮で再会したオーレンに告白する。

　は？？？？

……働いて一日で落ち着いて告白するなら、最初から逃げないでしろし。主人公は心のまま行動している訳だけど、ヒーローには訳分からんだろうな。しかもヒーローの事情きかないのか……。そうすると話が終わっちゃうからか。まあこのうじうじヒロインには、アリアンナの事を聞く勇気はないだろうな。一応両思いになる。んで、何故か元婚約者の部下リドルからのツテで再びリリィとの対峙ですよ。これいる？？

　久しぶりにあったリリィ嬢は成金商家の奥様になっていました。主人公は、自分に対抗する意識から似合いもしない高価な品を身につけている彼女に、内心怒濤のマウントをする。

　主人公なんでこんなクソマウント女なの？？

ヒーローならこんな品つけさせないとか、自分の装いの努力を内心でたたえてるけど、それヒーローが教え込んだ金の力による教育だよね？

もーほんとそういうとこ～～…

ハイスペ男による底上げのマウントって今のリリィ様と一緒でしょ？？性格が悪過ぎるわー。見かけ地味令嬢で、内面ウジウジ令嬢で、悪役令嬢思考ムーブやめてけれ。ほら～、無双リリィ様に性格の悪さが原因で（？）元婚約者奪われてんじゃん。

　ほんと、この会見意味わかんね。リリィ様は市民でもリリィ無双だったとストレスたまるし、主人公は全く会う意味なかったろ。読者としてもなかった。作者が揉めさせるためのエピソード過ぎる。　　

ヒロインの性格の悪さが露呈するだけだった。。

　男爵家に簡単に圧力かけられるなら、逆ハー無双の時誰かやってないものか。そして部下リドルから簡単に元婚約者に会えるだろう、リリィ。この子の性格だと、アルベルトと駆け落ちぐらいして公爵家への仕返しをしそうなんですけど。結局、そんな好きでもないアルベルトより金をとったって方が、悪女リリィに合ってる。なんで、リリィの女心の本心とかフォローしてるんだろう作者。どっちにしろ、性格は悪いんだからもはやどうでもいいじゃん。

　この後ヒーローは、急に一人で密会していたヒロインに詰め寄るも、アリアンナ同伴に嫉妬したヒロインに「触らないで！」と言われるのであった。

……ほんと、意味わかんないだろうなあ。（笑）

ヒーローの腹に一物あろうが、行動は一貫してずっと味方で恋人にもなってるのに。かといって、こんなよくわからない主人公に課金した（課金言うな）ヒーローの魅力も薄いんですけどね。真相がまだだから。やばいやつに肩入れしているキャラの株も下がる。

　ここで未完になっているので、なんていうかアレだよね。これは駄目だよね。読むの、おすすめしない。後半はともかく読んでいる時、続きの気になる度はあったので、ふつうとしましたが。まあ作者は活動しているので、復活あるかも。

　作者としては、人間的揺れがある悩み多きリアルなヒロインとして描いているんだろうけど、なんでこう性格が悪いという印象を受けてしまうんだろう、と完結作品へ。

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総評　<不満>

★もう一度、廻り逢えたなら

作者：橘 珠水　全13話

【あらすじ引用】千穂は、目が覚めると全く見覚えのない場所にいた。しかも、目の前にいるイケメンに違う名で呼ばれ、自分の妻だと言われてしまう。ああ、これは夢かと思っていたのだが、どうやらそうではないらしい。しかも、本当に見た目も千穂とは全く別人の美女になっていた。これってもしかして、小説とかでよくある転生ってやつ……？　でも、私、この世界での今までの記憶が全く無いんですけど。

　幸せだっただろうこれまでの時間を取り戻そうとする千穂ことヴィー。そして、それを温かく見守ってくれる夫のギルバート。けれど、ある日突然、そんな幸せな日々は終わりを告げ、千穂は衝撃の事実を知るのだった。

【一代目主人公はそんなに悪いだろうか？】
主人公一代目千穂が、簡単に『これって噂の転生か！』と信じるなろう脳なのは確かに少しイラッとする。主人公は千穂を前世と思い込む。なんで現代日本人の次代が中世っぽい西洋人なんだよ、って普通思うよね。でもなろうの読み手として、こういうショートカットも多少は受け入れなければ…と読み進めると、事件で魂が入れ替わっていただけで、千穂は悪役令嬢の侍女ミーアに再び入れ替わる。本物のヴィクトリアが本体に戻って、押し返されたのだ。簡単にご都合主義を信じた主人公の軽薄さへのしっぺ返し。そしてミーアとして生きて行こうとした矢先、魂の借宿は長くいられないらしく昇天してしまう。（合掌）

この時点で、美女になってイケメンに優しくされていた期間は短く、さらに待遇取り上げの上、死という重過ぎるペナルティをくらっている。一代目千穂は悪くはない。高潔な人で人望もあったミーアの身体を奪った罪はあるかもしれないが。

ヴィクトリアは美貌を維持する為に、小食、毎日エクササイズ、一時間のウォーキングをしていて、身体が疲れないことを、自分が努力不足だったと三十路の千穂は悔やむ。
これだって、私ですら痩せる為に毎日エクササイズぐらいしてるし（してるんですよまだ効いてないけど）、そもそも二十代前半で、そんなに疲れるわけない。打てば響くように効果的に維持出来る年齢じゃないですか。そんなに卑下しなくてもなあと思う。（笑）だいたい一時間もウォーキングしたら全身汗っかきだよ。
額に汗ぐらいって、すげー緩いんじゃ？（私調べ）


【二代目主人公は恋愛脳で性格が悪い（辛辣）】
後半主人公は二代目ヴィクトリアへ。そう、千穂はまさに
J.（千穂）Soul.Brothersとなってタイムスリップして赤ちゃん転生したのでした。こういうのってどこから千穂なのか、わからなくなるよね。まーヴィクトリアの人生全て千穂でしたって事にしよう。
ここから何を主人公がするか、普通はちょっと夢が広がりんぐなんだけど、結局ヴィクトリアは、美貌維持とかヒーローに会う事を心待ちにして、会っても普通の交流とかしかしない。（笑）まー恋愛脳。他にも色々努力してたのかもしれないが。何かエピソードもないし、お互い顔だけで惹かれあったでいいですかね？
一代目千穂がいずれやってきて入れ替わって、一緒に過ごす短い期間の事を未来の嫉妬にかられている始末。別にデコチューレベルなんだからいいやんけ。それ自分ですよね？？
なんて心が狭いんだ二代目。元に戻れない事を恐れるならわかるけど。

その後結婚できて楽しい日々を過ごすが、割愛。短めの話だから別にいいんだけど、前世からずっと焦がれてきた相手とキスしたり、ベッドインした喜びぐらい書いてもいいんじゃないか。。。なんか、ホントヒーローが『優しくてイケメンの旦那』というアイコンだよね。ヒーローの内面読めない。

そんで入れ替わり誘拐があって、ここで侍女ミーアがヒーローの上、犠牲になって死んでた事がはっきりと明らかになる。
ミーアの人生は本当に高潔だったよ。（合掌）
この時二代目は入れ替わってむち打ちも受けている。入れ替わる時の事も含めて、この時は必死だっただろうなあ。二代目、初めての試練だったかもしれない。

最終話、無事元のヴィクトリアボディに戻れた二代目。一代目と最後の会話。内面怒濤のクソマウントを開始する。
生まれながらの貴族の所作の美しさ自慢、女をさぼっていた一代目に対するディスリ。
…………あれ、これどっかでみたぞ？


自分相手でもマウントしなきゃ死ぬのか
このクソヒロイン。


本当にさー。見ず知らずのぽっとで女ならわかるけど、前世の三十路の自分でしょ？こんなに下に見る必要ある？恋愛に関して10年以上さぼっていたらしいけど、一生懸命こつこつ働いていたんでしょうが。恋愛して（恋愛か？）その為に自分磨きしてた女が、そんなに意識高いですかね。これが無職やニートならわかるけどさ。何も悪い事してないでしょうに。短い期間抱っこやデコチューされたくらいで、嫉妬しすぎ。
マジでやばい。
二代目は女性を放棄し、人間的に成長しようとすることもなく、ぬるま湯生活に浸かった一代目が許せなかったらしい。普通、状況的にも可哀想な過去の駄目な自分に会ったら、懐かしく愛しく思ったりしょうがないなあっていう駄目な子見る視線にならない？甘い？
ま、まあ自己マウントは、他者マウントよりマシか？
よくわからなくなってきたよ…………

君も人間的に成長したって思ってる事がやばいですよっと。
恋愛脳ありきで、聞いてたルート通りしてただけでしょ。
内面的には、性格悪化してるよ。一代目はただの能天気だった。
二代目、美形かもしれないけど性格悪う。

お話はここで大団円。
もう悪女化した三代目を希望するよ。
希望はそこだ。


マウントヒロインが続いて、作者の頭の中ではこういうのがヒロインなんだなあとしみじみ感じました。
確かに人間って無意識マウントってあるよね。
だけどそれをヒロインではみたくないなあ。。。