映画 君の膵臓をたべたい タイトルセンスだけで勝負した作品

2020年5月5日火曜日

映画

t f B! P L

タイトルセンスで大勝利した原作のアニメ化は涙を要求しなかった

★君の膵臓をたべたい




2018 / 日本 /109分

監督脚本 牛嶋新一郎
原作 住野よる

製作: スタジオヴォルン


キャスト

高杉真宙
Lynn
山内桜良
藤井ゆきよ






あらすじ

いつも一人で読書をしている高校生の「僕」は、ある日「共病文庫」と書いてある文庫本を拾う。それはクラスの人気者の山内桜良の日記で、膵臓(すいぞう)の病気を患い死期が迫っていることがつづられていた。彼女が病気を隠して明るく振る舞っていることを知った「僕」は......。
(Yahoo!映画より)



 NHKで放送してたので見た。当時広告でこの作品を全面的に推してた時、タイトルのインパクトが凄いけど難病ものでお涙ちょうだいなんだろーなって流してました。でも実写映画レビューをどこかで読んだらちょっと良さそうな映画だったので、まあ気が向いたら…と思っていたところ、アニメ映画を先に視聴。ネタバレあります。

 実写映画

【お涙ちょうだいしないもの】
まず一言、想像とおりの難病もの、予想を越えるラノベライズされた非実在性キャラたち映画としてみて全く映えない内容お涙はちょうだいしないものだった。

 実写映画は過去と現在が出てくるらしいし、アニメは原作通りなのかなあ。これって小説家になろう短編でこの長文を投稿していたという話を聞いた。昔はなろうも異世界ファンタジー特化じゃなくて、こういうのもあったんだなと思ってたんだけど、予想以上に主役とヒロインが入り込めないキャラだった。
 原作

【主役もヒロインもキャラが中途半端】
 病気の日記を拾った事で、クラスメートの陰キャ男につきまといまくる陽キャ女。妄想やめろ。
まず主役の男の子陰のものに関しては同担としてある程度まではわかるけど、第三者としての自分に喜びを見出してたのに、ちょっと引き回されただけで他人の優しさに気づくのはぬるいな…。なんかもうちょっと剥がされるエピソードないんですか?心の底でこういう事に憧れてたのはわかるけど、陰の者としてはあさ過ぎないですか?
にわかが!陰の怒り
多分結構頭がいい設定だと思うんだけど、やっぱり頭が良いと色んな事に冷静になって俯瞰しちゃうとか、陽キャが楽しそうにやるのは楽しそうでいいけど、自分がやるのは性格が入れ替わりでもしないと無理だよなーっていう性質的に相容れないものが隠じゃないんですか!
陰の怒り
馬鹿になりきれない、ノリに身体を任せられないから隠じゃないんですか!
陰の怒り
…この主役の子は、ヒロインのおかげで第三者と会話して交流する楽しさに気づけたみたいだけど、(ラストでヒロイン親友に吐露してた)これって陰キャじゃなくて、何かトラウマがあった子が他人を拒否していた感があるよね。そうならそういうエピプリーズ。
別に他人を拒否してないけど、他人と長くずっといることが苦痛な陰のものじゃないじゃないか。(それは私だ)
ファッション陰者め…
 星の王子様を読んだ事ないのに、未読ドヤしてて笑った。読書家なら思春期に買って家にあるやつやぞ。まあ男だから…。でも今思うと未読ドヤはちょっと可愛いかった。

 そしてヒロイン。この子半端だったなー。やけに上滑りしてそうな演技だから、本質はすごく暗いのかピュアなのかと思ったけど、普通に姫扱いのピュア陽キャってことでいいの?行動は、陽キャでスクールカースト上位の女子、主人公前では何かぶりっこしてるかと思えば肉食になったり、突然ピュア姫キャラになったり全くよくわからなかった。。。クラスで一番人気の陽キャ男と付き合ってた過去がある辺りで(しかも遺恨がある感じで振ってる)、ピュア姫は無理があると思う。色んな感情を経験する事になるだろうし、経験値が上がらずにはいられない。もうちょっと大人っぽい子として描くか、主人公の前だけ子供じみてしまうとかの方がよかったなあ。多分処女性を求めるあまりこういうキャラになってしまったんだな。(笑)


アメドラ女子がよくやってる「真実か挑戦かゲーム」酒飲んでやってる時点で(しかも男と旅行中)ピュアからほど遠いんだぞ。無理だぞ。気になってる男子を旅行に誘っちゃいました!(天然)とか肉食以外の何者でもなくて
 主人公を後ろから壁ドンした辺りは「やるねえ」と思ったけど、急に及び腰になって被害者面したのは笑った。
(その後の元カレへの態度も草 その後ノーフォローに草々)元々一貫して周りから肉食扱いされてて、最後日記でピュアが判明するとかの方が私はすっきりした。そしたら、時々及び腰になってた理由もわかるし。親友とかからは普通に姫キャラなんだもんなー。

 親友との関係も全く理解出来なくて、親友が姫扱いするのは(「あの子は見かけよりずっと傷つきやすいの!」と親みたいにガードする)この子がずっと病弱で家族同然の付き合いしていたとか、途中で男関係で身体を壊したとかないと不自然。原作にはあるの?なんかいかにもラノベの女の親友って感じ。ねーよ。

 あとヒロインが中盤「誰かと関わって初めて自分が認識できるんだよ。それじゃあ死んでるみたい」みたいな事を言うんだけど、実況が『死んでるやつ多くね?』とか『ここゾンビしかいねえ』みたいな自虐が溢れて草でした。

 あの…確かにそうなんですけど、読書家にはもう一言ありましてね。本を読む事は人と会う事と同じであるという。(映画でもいいよ)あの読書家でダンディーな故児玉清さんも書いてましたよ。「本読んでたら誰にも会わなくていいぐらい。そうしたい」って。
わかるかなーこの感覚。
 ←この本おもしろかった記憶
実際ヒロインは主人公の事を面白そうな人、って思ってて実際も面白かったんでしょ。ゾンビ評価してんじゃん!
つうか、そういう意見は言葉じゃなくて、行動で本人が感じて気づくものだと思うよ。いいたいことはわかるけど、もうちょっとこう…死に行く少女からの恨み声みたいなニュアンスなら、響いたと思う。

まあゾンビからの意見ですがね。ぼえー

一時マイブームがゾンビの時あったな。偶然アニメもゾンビもの多くて、バイオハザードばっかりやってた。可愛いんだよゾンビ。
ウォーキングデッドだってゾンビの美術を見るドラマだぞあれ。
話がずれた。ぼえー


【謎のセックスアピール描写いらなくない?】
 なんか映像が半端だったなーと思うんですよね。美しい青春ものとして見ると、やたら主人公の目線でも何でもないのに、女の子のローアングルだの、スカート目線だのサービスショットが多くて、深夜萌えアニメ的でノイズ。これが普通の青春ものだったらまあいいんだけど、難病ものだよね?せめて、主人公が性的に意識している目線で、中盤にやるべき。あと、女の方が男を性的に意識しているので(多分)男のセックスアピールシーンをいれる方が自然だなあ。のど仏だの本を持つ手だの、なんでもいいけどさ。まあ一応男視点の話だから、いれる場所は考えなきゃだけど。


【死とテーマについて】
 ネタバレになるけど、ヒロインは病気じゃなくて通り魔で命を終わらせる展開です。人間は不意に死んじゃうんだよってことなんだろうね。そんでもって最後に思う事は一緒だったということで、タイトルに繋がる。正直タイトルに繋がる台詞には感動出来なかったんだけど、この作品ってタイトル一つで大勝利した作品だからまあいいや
 この死に方、親が可哀想すぎる…と思った。もちろん本人も。だけど彼女のためにも一瞬で死んだと考えておく。親は、一日一日を大事に思っていただろうにこんな別れ方…私だったら立ち直れないのだが。
 主人公は10日で立て直しているのは、さすがというか。この子、もともと感情を現すことに障害があるタイプな気がするなあ。んーだとすると、ヒロインが死ぬまで感情が出ない方がよかった
いや泣くシーンはまさにそういうシーンなんだよね…。
でもちょっと照れてるシーンとかあるから、ファッション陰キャっぽくてさ…。

 例えば…ヒロインが死んだことで訳のわからない感情が出て、日記を読みながら自分の感情を少しずつ掘り返して納得し、最後のページで感情を決壊させるという死からはじまってる物語の方が、ベタだけどよかったなあ。主人公が読書家ってのにもあってるし。
原作はどうなんですか。まあ原作関係ないか。映画で見たことがすべてなんだから。



【まとめ:タイトルに頼りすぎメディアミックス】

 全体的に、エンドロール後のシーンがなければカズマさん声のガム君(いい人)が意味ありげに出てきた意味もなくなるところだったし(それでもちょっと不足)、明るくて積極的な女の子が暗い男の子を振り回して、彼の人生を変えましたってやりたいのはわかるけど、辛い。

 小説のノリを映画でやるのは間違ってる。映像作品は映像で作り替えて欲しい。
映像的な見所は? 花火?星の王子様的シーン?ないよね?
膵臓を食べる妄想シーンでもいれたらよかったのに。
膵臓をにするとか何でもできたやろがい。
それいる?が大量につくやつ。でもショットがないんだもの。
このスチールみたいな桜のシーン本編に関係ないからね。
タイトルインパクトしかないぞ、この映画…。







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