マインドハンターシーズン2 1話〜9話感想メモまとめ
深淵に手を突っ込んでいく私たち
前回はこちら。
あらすじ
地元警察とともに、FBI行動科学課が児童連続殺害事件を捜査する中、ホールデンは犯人像に対する本能を発揮して、プロファイリング理論を実践に生かしていく。
Netflixより(2019)シーズン2 全9話
もくじ
#1 各話感想 (長め)
シーズン2 エピソード1
行動科学課で大々的な組織変革が行われる中、単独でエド・ケンパーに面会して以来見舞われるようになった症状に苦しむホールデン。
(Netflixよりあらすじ 以下同)
#1
ホールデン、才能があるけど気性が荒い目隠し馬扱いされるw
新上司テッド・ガンはスキンヘッドで有能そうだよな。(いつからハゲたんだろう)
ビルもよく飛行機乗るよね。大変だわ、ビル。そして面倒見がいい。倒れたホールデンを迎えに行って、ハッパをかける。前回、疑ってしまったウェンディに謝り、彼女もクールに受け入れる。BTK事件の助けを頼まれるビル。シーズン1話で頼まれた親子殺人事件は、BTKっぽい模様。
デカい部屋をもらえて、チーム拡大の予感。でも、まだ地下なので閉塞感あるんだよね。窓は無理だとして、もうちょっといい感じの雰囲気で仕事したい。日本じゃあるまいし。アメリカはそういうの得意だろうに。(ドラマの雰囲気的には寒々しいのがいいのか…)
ウェンディに自分のパニック発作を相談するホールデンが、馬というより犬っぽくて。あんなに好かない主人公だったのに、かなり憎めない子に思えてきた。😊そうそう、シーズン2はホールデンの私生活は全然出てこないけど、私の好感度高いんですよ。密告したグレッグを吊るし上げたのも、悪意はなくてハッキリさせたかっただけとか、独特の感性で生きてるだけで、根に持ったりとかはないんだなあ。まあ子供っぽいんですよね、30歳にしては。ピュアっ子か?
元上司の退職パーティで、ビルのスピーチのそつなさよ。ビルたちは隠してたが、やっぱり上司の退職はホールデンの改竄が原因だった。最初から嫌われてたし、そりゃキレられるわな。上司も何も知らないホールデンがスピーチなんて、聞いていられないだろう。(嫁の顔の苦虫っぷり…)
でもさー、最終的に一緒になって握り潰そうとしたのは自分のミスだし、そりゃ責任取るのが上司の仕事だしなあ…
責められてホールデンがパニック発作でるの可哀想に感じてしまった。なんか可愛くも見えた。ここで圧倒的にホールデンくん、憎めなくなった私です。
このコミュ力のなさ、わかる。(わかり手)彼は思うまま走ってしまう猟犬なんだ。パパビルとママウェンディが、フォローしないとぶつかってしまうんだ。
エピソード2
自らを"BTK"と名乗る連続殺人鬼の犯人像をつかむため、収監中の殺人犯"サムの息子"に面会したビルとホールデンは、彼から意外な告白を聞かされる。
#2
有名な殺人鬼「サムの息子」と面談。面談中、悪魔ネタは作り事だとバラす。暗示でちょっと信じたりもしていたとも。性欲からの犯罪ではなく、ただの暴力だと言う。ウェンディの分析ではその発言は自分を強い男と見せたいからだという。暴力=強い男か。性犯罪は男の中でも、下位に思うのか。
女の場合、自分が女だという主張したい犯罪ってどうなるのだろう。死体を綺麗にしたり?もしくは血グロ?「美しい…これ以上の芸術はないでしょう」みたいな?うーん。
BTK絡みのビルの捜査も続く。このドラマ、地方の刑事の相貌がそれぞれらしくて好き。マインドハンターは地方刑事図鑑ドラマ。みんな地元の事件に苦悩の表情を浮かべていて、人間味あふれる。
BTKと思われる事件から生き残った少年に話を聞く。車の後ろの少年の顔が映らないんだけど、すごく良かった。めちゃくちゃちゃんと喋っている。何度も聞かれているから整理されているのかな。あのぐらい怯えるのも普通だし、ちゃんとしてると思う。撃とうとしたのも勇敢。生きろ。
エピソード3
ビルの身辺で凄惨な事件が起こる。2人の服役囚に面会するためアトランタに向かったホールデンは、ある申し出を受け興味をかきたてられる。
ピアースと面談。知能を自慢するが、それ程にも見えず、自分の犯罪を否定するタイプ。ホールデンはすぐ諦めたが、補助してくれた地元の黒人刑事のジム・バーニーがお菓子をあげる機転を見せ話し始める。でも、チョコマシュマロってそんなにおいしくなくない?マシュマロが、そんなにだし。オレオの方がよっぽど美味い。
ホテルで黒人女性が接触。ホールデンが最初、別の期待してて(デート?)ワロタ。連れられて行ったレストランに黒人マム達が座っていて…という辺りのシーン、緊張感あった。
ここからアトランタの黒人児童連続誘拐殺人事件に足を突っ込んでゆく。リーダーママ、ベル夫人のビジュアルの迫力よ。シーズン2のメイン事件です。地元の刑事のジムはこの事件に慎重。ジムはグレッグ(神父系FBI)の前にFBIの面接にも来た人物。この人感じが良くて好き。この人の佇まいを見ると、黒人刑事の先駆者「夜の大捜査戦」のシドニー・ポワチエや(記憶朧げ)、いい刑事やってる時のデンゼル・ワシントン、黒人差別繋がりで「ミシシッピーバーニング」が思い浮かぶ。静かに燃える黒人刑事いいなあ。昔の刑事ドラマとかの(黒人)半袖刑事のあの感じ好きなんだけど、わかります?
是非、ジムはチームに入って欲しい。チームと言えば、ホールデンの事に関して、ビルとウェンディの風通しが良すぎて吹く。正直、自分の奥さんよりストレートに話してそう。
2人目面談相手のハンスは悪魔主張したり支離滅裂系だったので、ホールデンはすぐ興味を失う。ムラがありすぎて草。ヘルプのジムが丁寧に聴取。グレッグは、人種じゃなく制服で選んでだのではという点を指摘したりいいとこもあったけど、いまいち聴取は苦手そう。
一方ビルの近隣で、幼児殺しが起きる。キツイ出来事だが、ビルの家じゃなくて良かったと思ってしまった。刑事ドラマの家族は、結構犠牲になるので…🥺 教会での集まりに参加したり、ビルは私生活も忙しい。ウェンディは、バーの女性に会いに行ったり出会いの予感。
エピソード4
アトランタの連続殺人犯に対するホールデンのプロファイリングが波紋を呼ぶ。初めて聞き取り調査を行ったウェンディは、現場の仕事に手応えを感じる。
#4
冒頭のキッドナップシーンは、覆面調査だった。(良かった)ウェンディの恋愛パートは、彼女の人生模様を映しているだけなのかな?ウェンディの元彼女は、学生と教授の頃からの付き合いだった。
ホールデンはアトランタ連続児童殺人を捜査したいと思う。彼の直感では、「黒人男性20代後半」。視聴者は、ホールデンは第六感持ってるし、主人公だし当たってそうだよなと思うんだけど、聞かされた方はポカーンだよな。「おぼろげながら浮かんできたんです…黒人男性20代後半という数字が…」の世界や。(進次郎のそれも切り取りだったらしいが)

ウェンディとグレッグのチームは、少年連続監禁殺人犯の共犯で、彼を殺した男と面会。入館する時の免責事項が、「FBIは人質交渉しない」だの、「女はレイプされる」(男も)とか書いてるのマジですか?修羅の免責事項か何か?この犯人も言う事が頭いいというか、台詞が強い。
「話を聞きたがるが、あんたは真実に興味がない。あんたは勝手に解釈して理解する。それでわかるのは俺ではなく、自分のことだ」とか。普通、自分を加害し恩人でもある人間を撃った時は愛憎混じる複雑な感情…と思ってしまうところだが、「彼の教えを守っただけだ。(敵は撃ち倒せ)彼はよくやったと思うんじゃないか」という。これは犯人ならではの思考だなあと思った。一貫して、自分の意思はなく巻き込まれた少年という立ち位置を主張する。日本でも洗脳尊属殺人とかだとその洗脳っぷりは想像できるんだけど、こんなに行動的で頭がいいと混乱してしまう。
こういう犯人役って、役者としても楽しそう。今回の人はちょっとディカプリオ入った顔していたね。このドラマ、犯人が主役みたいなところがあるし。マインドハンターは、凶悪犯人動物園、とも言えると思います。
ビルの近隣の殺人事件は、まさかの息子が関与。これは酷い。
全くの余談だが…子供の時読んだアメリカの探偵児童書にKKKスタイルの謎の団体の表紙があって、あれってKKKだったのかな?と急に猛烈に気になって調べたところ…(最終的に一冊だけ押入れに借りパクした本があった気がして押入れの奥を引き摺り出して探した)そのシリーズの一つに、白いマントとマスクの結社がありました。KKKではないみたいだけど、やっぱりイメージはこれからきてるんじゃないか?
ナンシー・ドルーシリーズの4冊目白い秘密結社。↑
にしても、ネットは自分が知りたい情報をピンポイントで探さないと意外とわからないのが大変だよね。まあ絶版本の情報だからかな。ナンシー・ドルーも新装版しか出てこないし。手持ちの「消えたプリマドンナ」にシリーズリストがあって良かった。部屋を模様替えする羽目になったが。
エピソード5
ホールデンが切望していたチャールズ・マンソンとの面会中に、家族の悲劇に苦しむビルの苛立ちが爆発する。ウェンディに新しい恋が訪れる。
ビルの子供は幼児死亡事件に居合わせて、十字架に掛けることを提案したのか…お父さん、大変すぎる。警察はブライアンの善悪の基準に疑問を感じて、色んな調査やケアを要求。やってきた専門の人(ソーシャルワーカー?)が、夫婦のベッドの下までみるシーンとか、机の上のおやつをどける動作とか容赦ないのが効いてた。まさに捜査。アメリカは進んでいるからわからないのだが、こんな小さい子を危険な子認定したら、その後どうなるの?バッドだった場合、病院送りになるの?でもブライアンって自閉症では?
さらにビルは、上司にホールデンを押さえなかったことを怒られる。まあホールデンはこういうの上手く出来ないタイプだからね…あんだけ人の心理を読み取るということは、人をよく観察していると思うので、仕事関係でもすればいいのに…(不器用)
そんな中マンソンと会う。さらに隙間時間にエド・ケンパートとも雑談。同じ施設なのかwいやだなあ。ケンパーの部屋は机も広いし、綺麗だしいい場所。ケンパーに助言を求めにいくとか、まるでレクター博士みたいな扱い。ケンパーが元ネタなのかな?ケンパーは、「マンソンは小物で、実際はテックスが主導した。背も小さい」という。統率したいだけの口が上手い前科者だとも言ったっけ?事前の調べでも、有名なフレーズ『大混乱』(ヘルタースケルター)、教義も、名前も真似っこであった。

実際マンソンの言うことは確かに全部、支持者が勝手にやったというイカレ小物感溢れる感じ。愛されない子供にドラッグをやって愛してやっただけと。ビルは自分の事情もあるので、ブチ切れてしまう。本当にビル精神的にきついよなあ。ビルが「ああ…」みたいな内面を覗かせる悲しい表情が好き。
マンソンファミリーのテックスとも面談。冷静に当日のことや、マンソンの支配の巧さを語る。一見まともだが、すがるものがマンソンからキリストに変わっただけと言う危うさがみてとれた。ウェンディたちの分析では、マンソンは潜在的に殺人の欲望があるものを後押ししただけという。チャールズ・マンソン事件はロマン・ポランスキーの妻で当時妊娠中の女優のシャロン・テートが犠牲者にいることでも有名な事件。暴力、恐怖アイコンとしてもアメリカ史に刻まれている。(その後のロマン・ポランスキー監督、活躍していたよなと思ってWiki読んで、頭痛くなった。そりゃ日本でも性犯罪犯しても復活しますわな…)
きっちりウェンディ可愛い。まあこういうおおらかタイプと合うでしょうね。
関係者の顔売りパーティで、ウェンディセクハラを受ける。あまりにも堂々と誘っててワロタ。あれに応じてくれる女がいるんか… パリッと断っててかっこいい。
ホールデンがすっかり堅物マンみたいなんだけど、シーズン1からこんなだったけ?(そうかも)ビル側の描写が多いから、相対的になるのかな。でも、ウェンディよりは人間的に犯罪者と対峙している感じがするんだけれども。もう1人の堅物マン、グレッグは微妙に仲間外れ。もうこの後ほとんど出てこなかった。前の上司の推薦だったから、外されちゃったっぽいんだよなあ。なんか悲しい。
またアトランタで犠牲者が。
エピソード6
FBI上層部から正式にアトランタに派遣された行動科学課が、児童失踪および殺人事件の捜査に加わる。聞き取り手腕に自信をなくすウェンディ。
ビルは話すのが上手いけど、自分の話にショックを受けたりしている。前回「邪悪は目を見ればわかる」と言われたのも辛い。息子の目に映るものは何か。何が正しいのか。奥さんも辛いだろうな。ブライアンは顔だちが整っていて、無表情なんで正直怖い。やっぱり人間表情なんだろうね。(人のこと言えない)黙ってじっと見てるの怖っがっちゃいけないと思って、あだ名をつけました。ホラン千秋に似てるので、ホラン千秋とします。ホラン、喋るのがダメなら文字はどう?
ウェンディはSM系の犯人を聴取するも、聞きたいことを聞けず失敗する。ガールフレンドともちょっとギスギス。
アトランタで捜査中のホールデン。考え方は最初は受け入れられない。ホテルの女性はいい味出している。このドラマで珍しいタイプの女性だしね。ホールデンたちの意見で、同じ場所を再調査。新しい証言や男の名が出てくるも、この時は進展なし。森で3体も死体が出る。指紋のでた白人を逮捕するも、マスコミはもう署の前に来ていた。この辺の雰囲気とか映画っぽい。
エピソード7
捜査が行き詰まる中、犯人をおびき出す大胆な方法を提案するホールデン。ビルの家族は一層厳しく監視され、ウェンディは自分の役割に不満を募らせる。
みんな平たい顔族と比べたら掘り深男(ほりふかお)で鼻高男(はなたかお)なんだけど、ホールデンの顔が特に光が当たる角度で、目元が見えない。そういうカット多いですよね。ホールデンが一番闇に踏み込んでいるからなのかな。
逮捕した白人男性は、自慰だけで犯人ではなかった。犯人の目星がつかない中、祈りの行進でおびき寄せる作戦を立てる。地元刑事のジム頑張ってるなあ。地元に帰ったり忙しいビルも、十字架を作ったりする。病気になるぞ!😇(心身共にヤバそう)多分一番金がかかってそうな、行進のシーンきた〜!めちゃくちゃ映画。
十字架を作って担いで走っている間に、死体が増えて珍しく落ち込む主人公。テレビから聞こえるベル夫人のスピーチ力、政治力が高くてすごい。
一方ウェンディは聴取から外されて、微妙に部外者扱い。(もう出てこないグレッグも…)これは、FBIじゃないからなのか?まあいずれは研究に帰るのかもしれないが…これはショック。恋人と痴話喧嘩したりもしている。ウェンディもかなり自分の仕事の話をするよね。ホールデンだけじゃなかった。意外と話したくなるものなのかなあ、この手の話。家庭人と独身の違いなんだろうか。メタ的なことを言えば、ドラマに関連づけるためだろうけど。
ビルの妻ナンシーは、死んだ幼児の母親から「許すわ」と独善的な訪問を受ける。何も言えないしダメージだけが溜まる。つらい。この人他の直接的死因の子たちにも、これやってるの?許せないことをわざわざ許す必要はないし、許すと言い回ることで本当に楽になるのだろうか。
無意識ではダメージ与えたくてやってるとしか思えない。
アトランタでさらに爆破事件。ホールデンたちとの思惑とは違い、KKKの捜査になる。この辺りで残り2話。あ、首絞め女装犯人(BTK)は解決しないんだなあ…と気がついたw
エピソード8
煩多な手続きに阻まれ、容疑者を絞り込めず苛立つホールデン。疲弊し悩みつつも、息子を理解しようと努めるビル。恋に悩むウェンディ。
KKKの方の捜査は、一応シロ。ボランティアコンサートの応募に来ると狙いをつける。(多すぎて無理じゃない?)チラシ一つ撒くのも手続きが面倒だ。まあそういうもんですか。いつの間にか死者20人?!
ビルの妻、ナンシーも限界そう。引っ越したい、自分で産んだ子供じゃなくて良かったとか思い始めてる。ホールデンの非難についにビルは切れて、家庭のことをバラす。(冷静な切れ方だったけどね)「俺はお前のためにいるわけじゃない、お前はプロに徹しろ」とか、人一番チームとか気にしそうなタイプだけど、アメリカ人っぽい切り返しだなあと思った。実際、お守りは頼まれているけど、それは仕事だからで、それもつまり自分(のキャリア)のためというのは真実だと思う。まあホールデンに自分を曝け出して関係を深めるとかじゃなくて良かったよ。(ドラマにありがち)ビルも変にタフだから、いろんなことに耐えちゃって乗り切っていってしまうのよね。(病気になるぞ!)
ついにホラン千秋(注※ビルの息子)とアイスを食べ、本音を出す。「この状態が恐ろしいんだ」と素直に言う。アイス食べてる千秋が一番子供っぽかった。今ままで向き合いたくなかったことに、諦めて向き合うのかな。(まだ半分あったのにアイス残して出るのが気になってしまった)
チラシは間に合わず。(後手後手)服についた繊維の事が報道され、犯人は死体を川に流すようになる。ホテル女性の弟から、ポラロイドを撮らせるお小遣いのことを聞く。子供同士の秘密のネットワークがあって、それが事件をわかりづらくさせていた。まず知り合いを洗うと思うんだけど、それが大人にはわかりにくいのか?そして地元刑事のジムの調べで、複数の子供のつながりがわかる。
…これには突っ込みたい。ここに至って知り合いってわかったんかい!!
こんだけ事件が肥大してしまったから、余計調べていなかったのだろうか。川縁でのエンドレス張り込みが続く。この時の暗闇からライトが当たってる風景がかっこいい。すでに死者28人。
ついに、予算がなくなる。(ドラマ制作のよう)最終日、橋の上で音を聞き、やっと1人の男を捉える。男は20代、黒人男性だった。
一方、ウェンディは恋人と破局していた。ウェンディ、事件と関係なさすぎて可哀想。まあ出張した大きい事件だから仕方なかったか。んでこのままいいとこなしでドラマ終わるからね。ウェンディはどうなる予定だったのかな?
エピソード9(ラスト)
ついに有力な容疑者を確保した捜査陣。だが、男は世間をあおるかのように、緊迫する状況を驚くほど狡猾(こうかつ)に操り、警察を翻弄する。
怪しすぎるワナビースカウトマンな男ウェイン。佇まいヤバ男(やばお)。しかし、このソシオパス、大物。どういう肝だ。まあ多分何人もやっているんだから、こんなもんなのかな。毎日スカウトした子供とデモも作らず、話しているだけとか不審者すぎる。尾行しているホールデンに、差し入れしたりする。(これ、逆問ってやつ?ハコヅメでみたやつだ)
大騒ぎをして気を引き、逃亡を企てたり冷静。結局、繊維が2人に一致して逮捕。ただこれは成人男性殺しので、連続児童殺人の容疑ではない。彼のプロファイリングは、性的嗜好からの殺人ではなくて、自分の無能さを恥じている怒りからだという。彼は貧しい子供をストリートキッズと侮蔑していた。
母親たちは、(ホテルの女性含め)彼は最後の犠牲者と言い、人種差別だという態度。当時の状況からこうならざるを得ないのだろうけど、別にホールデンたちはその観点からみていないから残念な気持ち。ただ母親のいう通り、事件は有耶無耶に終了される。つまり連続児童殺人は未解決…なのである。
黒人刑事ジムの鋭い地道な捜査で、もう1人白人の異常者が上がってきていたが、こっちの人の犯罪も含まれていそうだよね。ホールデンは、評価されて嬉しそうな上司(テッド・ガン)と、打ち切られた捜査にショック。
やっと帰ったビルは妻(と千秋)が出ていってしまった。最後はBTKが自分の首を絞めてエンド。
って終わんのかーーい!!!
(シリーズ含めての)首絞め女装エンドじゃないか…!
シーズン2感想まとめ + 実在の事件まとめ
そんなわけで、大規模な事件を追うシーズン2はあっという間に終わり、ラストにめちゃくちゃモヤりつつ、面白かったです。まあスッキリしないのは予想していました。
これを解消するには実在の事件を調べるしかないのかもしれません。それは最後にするとして、見てない人に勧めるとしたら、「見終わった後で調べたくなるけど、止まらない面白さはちゃんとあったよ!」です。やっぱりデビット・フィンチャーは面白いなと。こだわりの人ですし、映像の詳しいところは浅学ゆえ指摘できないのですが、このテーマでさらっと見てしまえるのがすごいんだろうと思う。ウォーキングデッドみたく、監督が変われば続けられそうですが、雰囲気は変わるでしょうね。
では以下気になった2大犯人まとめ。
★BTKとはBTK絞殺魔とも呼ばれるデニス・レイダーという人物のこと。これは本人考案の名である。自分でメディアに手紙を送り、連続殺人犯がいることを明かした。1974年から77年にかけて7人(最初がドラマでも触れられた一家4人)、85年から91年にかけて3人、合計10人の殺人が確定している。近年他2件の第一容疑者にも挙げられた。逮捕されたのは、2005年、自分でまたメディアとコンタクトをとり、最後は警察の単純な嘘に騙されて捕まる。1件につき終身刑を言い渡され、現在10回の終身刑で収監されている。(カンザス州は死刑廃止)
犯行前に念入りなストーキングをするので、失敗し諦めた例もたくさんあるという。自己承認欲求がなければ、迷宮入りになっていたような事件。
トマス・ハリス著、「レッド・ドラゴン」(羊たちの沈黙の前作)にもBTKをモデルの人物が出てくる。また彼がテーマの映画、ドラマなども存在する。
アトランタ連続児童殺人が1979年から81年なので、なんと彼の逮捕はシーズン2の24年後なのである。(!!)
…いくらなんでも当初の通りシーズン5を予定しても24年後を描くことはなかったと思われる。ホールデン54歳。ジム、68歳ぐらい…
ということはこのドラマの伴奏的な、BTKタイムだったのだろう。嫌な伴奏だなあ.
(あのお面怖いんですけど…)
★あと不完全燃焼なアトランタ連続児童殺人について。調べると大体ドラマの通りの内容だった。28人(未成年者、成人含む)犠牲になった事件。ウェイン・ウィリアムズは成人2人の殺人で起訴され、2回の終身刑受け、服役中である。無罪を現在も主張。警察は全部がウェインの犯行ではないが、まだ起訴されていない犯行があるとしている。
白人のKKKによる殺人や、別のペドフィリアの犯行も含まれていると予想できる情報などもあり、やはりドラマで匂わされている情報と同じだった。
ただしウェインが捕まって以降、絞殺の(同じ手口)死体は出ていないため、警察は多くの殺人に関わっていると見ている。
強引で有耶無耶な終わりだったけど、結果が成功だろ?という感じなんですかね。まあ性的興奮からの殺人の場合、時間をおいてもまた犯行が繰り返されるパターンな訳なので、犯人が死んだか、性的興奮ができなくなったか、捕まったか…になるのでしょうか。
うーん、一言言うなら…
性的犯人は自分でもぐか、自首するかして欲しい。
ほら、檻の中の犯人たちも意外と犯行をせずとも穏やかに暮らしていたよ…
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